熱中症の原因

水分補給ということでは熱中症予防に関してはやはり外せません。まずはこの点をおさらいしておきましょう。
人は一般的に1日で約2.5Lを体内から失っています。内訳は、尿が約1,500ml、不感蒸泄が約900ml、便が約100mlです。特に暑い夏場は汗をかくので意識して水分摂取をする必要があります。
水分補給はいいのですが、いっぺんに大量の水を摂取してしまうと、体内の電解質のバランスを崩してしまう可能性があります。飲む量というのは、汗のかいた量を目安にして、汗で失う塩分(ナトリウム)も補給しましょう。
大量に汗をかく状態というのは、発汗量に見合った量の水を飲めない状態のことで、「自発的脱水」と呼ばれます。「自発的脱水」は、水だけを飲んで血液のナトリウム濃度が低下し、水が飲めなくなってしまう状態です。
体内には約0.9%のナトリウムを含む血液が循環しています。汗をかいた肌をなめると塩辛い味がしますよね。汗にはナトリウムが含まれている証拠です。大量に汗をかいてナトリウムが失われているのに、水だけを飲むと血液中のナトリウム濃度が薄くなり、これ以上ナトリウム濃度を下げないようにするため、防衛本能で水を飲みたいという気持ちがなくなるようになっているのです。
同時に余分な水分は尿として排泄されてしまいます。こういう状態では、汗をかく前の体液の量を回復することができなくなってしまい、体温が上昇して運動能力も低下し、まさに熱中症の原因となるのです。